売れっ子観察記

夢の国からブラック企業、宗教風企業まで。サービス・営業職の観察&分析結果の個人的な考察。

#宗教っぽい会社 売れてる営業マンのタイプ分析 part1

社歴も長いし、営業成績は常に社内トップクラスだから

内勤の間でもよくその名前を耳にするような人たちが何人かいる。

その中にはいい噂しか聞かない、成績も人当たりも抜群に良い人と

成績はいいのに黒い噂やめんどくさいエピソードばかりが目立つ厄介な人がいる。


それまでにも何度か電話で話したことのあったYさん。

その日は突然不機嫌そうな電話がかかってきて、終始イライラした様子で、

自分の言いたいことだけ一方的にぶつけてきて「めんどくせーな」って言いながら

最後は私の返答が終わる前に雑に電話を切った。

 

他にも、自分の所属も名前も名乗らずに勝手に話はじめて威圧的な応対をする人もいる。

 

全体からするとほんの一部の人でしかないけれど、そういう人と話をしていると

「なんでこの人がそんなに売れているんだろう?お客さんの前でそういう態度が出てしまうことはないのだろうか?」

と、思わずに入られないけれど、継続的に好成績を維持しているという事実は認めざるを得ない。

そして私なりに、比較好意的な解釈をもってある結論に達した

彼らは自分に合うお客さんを見つけることに長けている

 

というわけで、売れてる営業マンのタイプ分析1つめは以下の通り


タイプ1
人柄も良くて社内外問わず人望の厚い人はオールラウンダータイプ。要するに万人ウケするタイプで、"自分自身の底上げ"に余念のない人格者。

この人たちは本当にすごい。いつどんなときも、電話だろうとメールだろうと対面だろうと、常に爽やかで謙虚で気配り上手。常に周りの人や自分の置かれた環境への感謝を忘れない。話しているだけでこちらも自然と表情が和らぐ。たまに面倒な依頼をされても「この人のためならちょっと頑張っちゃおうかな」と思わせることができる。


タイプ2
自分の好きな人とだけ付き合う、自分に合うお客さんや友人だけを選んでいくタイプ。
苦手な人と無理して付き合う必要はないと割り切れる人。

この人たちもこの人たちですごい。例えば高級車やブランド品を身に付け、いかにも「調子に乗っている」と思われそうな身なりの営業マンがこのタイプ。一部の人からは僻まれても、自分達のお客さんは同じようにブランド品を愛する人たちだから話が弾む。前述したような横柄な電話を掛けてくるような人たちは恐らくお客さんに対してもさほど謙虚さは見せないのだろうけれども、仕事を早く的確にこなすに違いない。多少態度が横柄であったとしても仕事さえキッチリこなしてくれれば何の問題もない。むしろ、あと腐れなくて良いと感じるお客さんを相手にしていれば十分釣り合う。


言うまでもなく前者の方が多くのお客さんを獲得できるチャンスを持っているけど、
後者もしっかり割り切って軸を貫けば一定のお客さんからは重宝され、自分自身のストレスも費やす労力も比較的少ない。効率的ではある。

なるほど、自分の心とスキルに見合った方向性で突き進めばいい。どちらが正解でも不正解でもない。営業マンには様々なタイプがあり正解も不正解もないということを改めて知る。
ただ、あまり周囲に不快感を与えるのはやめてほしい。

#ブラック 営業を動かす”飴と鞭”

今思えば、前職の仕事はとても好きで、やりがいがあって、比較的私にあっていた。

けど、社長が嫌いで、今後の労働環境にも不安があって、在籍2年半で営業成績も比較的好調な時期に辞めた。

 

今さら悪口を書いても仕方がないのだけれど、なぜ社長が嫌いだったか...

未だに思い出すと多少悔しさが込み上げてくる事件が1つ。

当時入社2年目に差し掛かったばかりの私は、同時期に入社した同世代の子達よりも良い給料をもらっていたらしい。後々の転職活動の時にも思い知るのだけど、同世代の日本で働く人たちの平均よりも給料が良かった。

目標の達成割合に応じて会社で定められた規定通りに支給された結果そうなるのだから誰も文句が言えるはずはない。

 

ところが、社長はある時期私の顔を見るたびに

「めぐの給料どうやって下げようかな」と言うようになった。

業務量は多かったし、運が良かったとはいえ結果も出ているのだから

「まだ少ない。もっと支払われてしかるべき」とさえ思っていた私は非常にビックリした。(私も謙虚さが足りなかったことは反省するが)

それが一度ではなく何度も繰り返されるものだから悔しいわ、腹が立つわ、、、

その怒りを泣きながら(やや感情的になりすぎた)信頼していた直属の上司にぶちまけたところ、

上司は私を慰めながらも社長をバカにするなと、擁護するような発言さえしはじめて、余計に失望してしまった。

 

そんなわけだから(他にも色々あるけれど)、社長のことが大嫌いだった。

 

けれど、直属の上司がそうであったように

ある程度長く勤めている人たちにとって社長はカリスマ的存在であったらしく、

給料が上がらなくとも、社長に誉められることや休日出勤・サービズ残業してまで仕事に取り組むことを誇らしそうにしている人が少なくなかった。

(ちなみに、営業には1ヶ月当たり約30時間分の”みなし残業手当”が固定でついているが、 「え、それ1週間分の間違いでしょ?」っていうくらい平均残業時間は多かった)

 

なぜ、そんなに献身的に働く社員を育てることができたのか。

1つの要因が飴と鞭であると思う。

先に挙げたようにモチベーションを下げるようなことをわざわざ言う一方で、

誉めるときは大きな声で「よくやったな。すごいじゃないか。」と嬉しそうに繰り返す。

大きな会社でなかったから社員全員の顔と名前も覚えていた。社長室の扉も開けっぱなしにしたがった。よく歩き回って社員に話しかけていたし、半強制参加のお花見会や納涼会などもある程度の経費を費やして開催してくれていた。

懐の深い経営者かつ、どこか親近感を残した父親的な雰囲気もあった。

長く勤めれば勤めるほど、そんな彼のために働きたいと思う人が増えるのも経営者として大事な資質であったのだろうと思う。

 

当時、彼が好きだった人たちが書いた本。いつも2~3人(2~3社)しか名前があがらなかった。笑 

 

 

ニトリ 成功の5原則

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稲盛和夫の実学

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#宗教っぽい会社 「宗教だ!」と感じた日

(この会社宗教っぽいな)

と最初に思ったのは入社前、、、というか会社説明会のために初めて足を踏み入れた日

 

つまり、第一印象が”宗教みたいなやばい会社”だった

 

そう感じた理由↓↓

1. 社員が会社のことを好きすぎる

2. 社員が会社のことを誇らしげに語りすぎる

3. 企業理念が暑苦しい

4. 会社独特の言い回しを標準語のように使う

 

その会社のことを知らない人との温度差を社員が感じきれていない様子だった

(なんて狭い世界で生きている人たちなんだろう、、、)

と、入社後にあらためて感じた

 

けど、それほどまでに会社を愛し、誇りをもって働いてくれる社員は会社にとって宝

理念を共有し、浸透させることは、会社の成長にとって必要なこと

理念に共感さえできればいい会社だと思うし、高業績の営業マンをたくさん育成できる

 

 

日本一働きたい会社のつくりかた

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#夢の国 魔法にかかったと思った瞬間

従業員のロッカーエリアは全然夢に溢れてなんかいない

雑然とした普通の場所だった

そこで繰り広げられる会話もいたって普通で他愛のないものだった

...当たり前と言えば当たり前なんだけど

 

今でもなぜか印象に残っているのは当時の私よりも少し年上と思われる女性同士の会話

「チューしたら終わりじゃん。その先、止められなくなる」

 

(!!!!!)

 

前後の会話を聞いていないから詳細は不明だけど

(こんなところでなかなか赤裸々な話してるな...)って思った

そして

(みんな、普通の女子なんだよね。仕事しているときの雰囲気と全く違うよね。)と。

 

制服を着て、お客さんの前に出るとスイッチが入る

世間から期待されている通りか、期待以上のパフォーマンスでお客さんを迎える

先輩や上司に細かく教わるわけでもないのに

すべてのお客さんに夢と魔法を届けるために演じきっている

(お客さんに魔法をかける以前に、自分達が魔法にかかっている)

そんな風に感じた瞬間だった

 

目の前の人が一番喜ぶことを考える

ただそれだけでいい

 

最高のサービスの根底にあるのは

極めてシンプルな教えだけ

 

ミッキーマウスの憂鬱 (新潮文庫)

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夢と魔法と洗脳と時々ブラック

様々なサービス業、営業職を経験すること10年あまり...

あの夢の国で「魔法にかかった」と思ったときのキラキラした感覚と

暑苦しい営業団体で「洗脳される」と一縷の不安と焦りを抱いたときの感覚に

なんとなく共通点を見いだすようになった

 

そして個性溢れるなかにも、

いわゆる”売れっ子”と呼ばれる人たちにも一定の共通点がある

 

営業最前線を退き、

たくさんの営業マン、営業レディたちと接するようになると

改めて営業という仕事の奥深さと楽しさと苦しさと面白さを見いだすことができる

簡単に真似はできないけど、うまくいく人たちから学ぶことはたくさんあるから

ここで惜しげもなくおすそわけしよう